コラム

【第6回】土地活用で失敗しやすいケースとは


【「土地を持っている=資産」とは限らない時代へ】

土地を所有していることは、かつて「資産を持っていること」とほぼ同じ意味でした。

しかし近年では、その考え方が少しずつ変わり始めています。

人口減少や少子高齢化、空き家の増加など、日本の社会構造は大きく変化しています。

その結果、土地は「持っているだけで価値が上がるもの」ではなく、「どう活用するか」が問われる時代になりました。

実際に土地活用を始めたものの、思うような成果が得られず後悔するケースも少なくありません。

では、土地活用で失敗してしまう人にはどのような共通点があるのでしょうか。


【失敗例① 「節税になる」と言われて始めてしまう】

土地活用を検討するきっかけとして多いのが、相続税対策です。

金融機関や建築会社などから、

「アパートを建てれば節税になります」

と提案を受けた経験がある方もいるかもしれません。

もちろん、制度上、一定の条件を満たすことで相続税評価に影響するケースはあります。

しかし、本来の目的は「土地を有効に活用すること」です。

節税だけを目的に建築を進めてしまうと、

・想定より入居者が集まらない
・維持費が負担になる
・相続後に管理が難しくなる

といった問題が生じる可能性があります。

税金だけを見るのではなく、土地の将来価値まで考えることが重要です。


【失敗例② 利回りだけで判断してしまう】

土地活用の資料には、「想定利回り〇%」という数字が掲載されていることがよくあります。

もちろん、利回りは大切な指標です。

しかし、それだけで判断するのは危険です。

例えば、同じ利回りでも、

・空室率
・修繕費
・管理費
・固定資産税
・将来の賃料下落

によって、実際の収益は大きく変わります。

数字だけを見るのではなく、その数字がどのような前提条件で成り立っているのかを確認することが欠かせません。


【金融知識:表面利回りと実質利回りの違い】

土地活用を考える上で知っておきたいのが、「表面利回り」と「実質利回り」の違いです。

表面利回りとは、年間家賃収入を物件価格で割ったシンプルな指標です。

一方で実質利回りは、

・管理費
・修繕費
・固定資産税
・保険料
・空室リスク

なども考慮して算出します。

同じ「利回り8%」という数字でも、実質的な収益には大きな差が生まれることがあります。

そのため、不動産を比較する際は、数字だけではなく収支全体を見る習慣を身につけることが大切です。


【失敗例③ 地域の需要を調べていない】

どれほど立派な建物でも、必要とされていなければ収益にはつながりません。

土地活用で重要なのは、「何を建てるか」よりも「その地域で何が求められているか」です。

例えば、

・学生が多い地域
・高齢化が進む住宅地
・ファミリー層が多い郊外
・再開発が進むエリア

では、求められる建物やサービスは異なります。

全国一律の成功法則は存在しません。

地域の人口動態や将来予測を調べることは、土地活用の第一歩です。


【失敗例④ 出口戦略を考えていない】

土地活用は「始めること」に目が向きがちですが、本当に重要なのは「終わり方」です。

例えば、

・10年後に売却する可能性がある
・子どもへ相続する予定がある
・自分が高齢になったときに管理できるか

など、将来を見据えた計画が必要です。

投資の世界では「出口戦略」が重要だと言われますが、それは土地活用でも同じです。

始める前に、将来どうするのかまで考えておくことで、大きな失敗を防ぎやすくなります。


【失敗例⑤ 一人で判断してしまう】

土地活用には、

・税金
・法律
・建築
・不動産
・金融

など、さまざまな専門知識が関わります。

一人ですべてを判断することは容易ではありません。

だからこそ、

・税理士
・司法書士
・不動産会社
・建築会社
・ファイナンシャルプランナー

など、それぞれの専門家から意見を聞き、比較・検討することが重要です。

一社だけの提案で決めるのではなく、複数の視点を持つことで、より納得感のある判断につながります。


【成功している人に共通する考え方】

土地活用で成功している人は、「すぐに建てる人」ではありません。

共通しているのは、

・地域の将来性を調べる
・収益だけでなく維持費も考える
・複数の選択肢を比較する
・長期的な視点で判断する

という姿勢です。

土地活用は数年単位ではなく、10年、20年と続く資産運用です。

目先の数字ではなく、「将来も価値を持ち続けられるか」という視点を持つことが大切です。


【土地活用は「正解探し」ではなく「選択」の時代】

かつては、「土地があればアパートを建てる」という選択肢が一般的でした。

しかし現在は、

・賃貸住宅
・駐車場
・商業施設
・福祉施設
・トランクルーム
・太陽光発電

など、活用方法は多様化しています。

重要なのは、流行している方法を選ぶことではありません。

その土地、その地域、その家族に合った活用方法を見つけることです。

土地活用に絶対の正解はありません。

だからこそ、十分な情報を集め、自分にとって最適な選択をすることが、失敗を防ぐ最大のポイントと言えるでしょう。


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